セカンドオピニオンに関するお知らせ

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンとは、患者さんの「主治医」の説明とは別に「主治医以外の第二の意見」という意味です。
これは主治医の考えに納得している場合でも、もう一つ安心して治療を受けるために他の医師の意見も聞いておきたいということもありますが、実際には何らかの理由で主治医の説明に納得できないところがあって第2の医師の意見を聞きたいということが多いようです。
医療を行う現場においては、医療は患者さんと医師(医療職側)が信頼し合って成り立つものですから、医療現場からすると寂しいことになります。時には医師としては信頼できるがその対応の仕方とか、他の職員との関係における摩擦なども原因となることもあります。

セカンド・オピニオンとは

セカンドオピニオンは患者さんの権利です

セカンド・オピニオンは患者さんの権利です

のような放置しておくと重大な結果を招く病気になった場合には、患者さんはご自分や家族の将来を考えたり、仕事を考えたりで不安に陥ります。本当に癌であるのか、診断は正しいか、治療法について言われたことしかないのか、などと心配になります。
そのような状況のもとで、当初に受けた診断や治療法に関して十分に納得できない場合には、治療を受ける側の患者さんにとっては大切な意思の決定をするときであり、不安を十分にとって治療に専念するために、セカンドオピニオンは患者さんの権利であり、必要なシステムと考えます。

どんな時に患者さんはセカンドオピニオンを求めるのか

  1. 患者さんがその事実を受け入れられない
  2. 診断に対する説明に十分に納得できない
  3. 治療法の説明に納得できない
  4. 切除不能であるので抗がん剤治療など他の施設に行くようと言われた
  5. これ以上の治療は困難だから他の施設へ行くように言われた
  6. 前の病院を信頼できない

などなどの理由によって、ホームページや口こみで、セカンドオピニオンを求めて受診される患者さんが多くおられます。

当院でのセカンドオピニオンについて

セカンド・オピニオンにおける対応に関して、紹介状がある場合とない場合ではいささか異なります。紹介状がある場合にはその内容を十分に把握します。次に患者さんがなぜセカンドオピニオンを求めて受診されたかをお尋ねします。
また患者さんが持ってこられた画像診断や血液検査、さらにどのように診断されてどのように説明されたかお尋ねします。その場にある限りの資料の中で、病気に関係する臓器の解剖と働き(機能)について説明しながら、私共が考える病気の診断とそれに対する適切な治療法について説明します。治療の選択肢が多くある場合はそれぞれの長所、短所を合わせてお話ししています。結果的には前の施設と同じ内容の説明となる場合もしばしばあります。

紹介状がない場合、ご自分の画像のコピー(多くはCD-R)を持っておられる場合と、何も資料がなくお話しだけのことがありますが、時に感情的なお話しの場合もあります。このような場合客観的な情報がありませんので、診断、治療に関しては一般的なお話はできても、その患者さんが求めたいお答えはできない場合が多くなります。紹介状のない画像のコピー(CD-R)を持ってこられても一部の資料だけということも多く、やはり十分なお話しができないことがあります。

それでも患者さん側からさらなる説明を求められることも多く、この場合はセカンドオピニオンではなく、当日または後日に改めてカルテを作成して一般診療となります。


当院でのセカンド・オピニオンについて

セカンドオピニオンの問題点

これまで多くのセカンドオピニオンを求めてこられた患者さんを診せていただき、色々な思いがあります。

基本的には、医師と患者さんの意見の疎通が十分でないことが多く、医師側はもっと患者さんに対して十分な時間をとって患者さんがわかりやすい言葉で説明して、状況を理解して頂くことに努める必要があると思うことが多いのが正直なところです。しかしながら、医師が一生懸命に説明しても患者さんの頭は真っ白になって聞いた説明が素通りになっていることも時に経験しています。このようなときはお互いに何度も話し合いをするべきでしょう。いずれにしても医師は患者さんの悩みをより知って対応しようとする努力が必要と思います。

また最近ではNET上などで、色々な診断法や治療法の情報も簡単に得られるようになっています。このことで患者さん側も様々な勉強をして知識が豊富になっていることも多く、医療者も説明し易くなっているところもあります。しかし、時々中途半端な知識となって、誤った先入観から入られ、その患者さんには全く該当しないことを主張されることもあり、コミュニケーションが取りづらくなることも時に経験します。

医療を提供する側も患者さん側もコミュニケーションをよくとって、お互いの立場をよく理解し合って、信頼できる医療を行えるようにしたいものです。

当院のセカンドオピニオンについて

当院のセカンド・オピニオンについて

当院は「肝胆膵」病院と命名している関係もあって、他施設においてこの領域の疾患、特に「」と診断されてから治療方針の説明までの過程において、何らかの疑問を感じて受診される患者さんがほとんどです。

当院では、一般の診療において正しい医療を行うためにまず患者さんの症状、画像診断や血液検査さらに患者さんの考え方や想いについて十分な把握をしてからお話し合いをして治療方針を決めることにしています。

当院でのセカンドオピニオンの実態と実績

セカンドオピニオンの際に適切な紹介状がある場合にはこれを熟読し、画像を見て状況を把握してから、当方の考えをお話しします。
よって、患者さんに一定のご理解、ご満足を得ていただくためには多くの場合長時間を要します。紹介状に対する返事は後ほど発送ということになります。

開院して12年の当院で、記録に残っている過去10年間で128件のセカンドオピニオン受診がありました。当院の専門性や診療の姿勢が評価されている結果だと思って今後も真摯に取り組みたいと思います。

平成19年~29年9月 セカンドオピニオン件数135件
1000床以上の病院より80件
500~1000床64件
300~500床26件
300床未満20件
不明 17件

セカンドオピニオンの価格について

30分10,800円(税込)
以後30分毎+5,400円(税込)

*所要時間の関係上、すべて夕方診療時間で予約制としております。電話による予約をお願いします。

*事前の資料が少なく、十分なセカンドオピニオンを述べることが困難で、患者さんが当院での検査などの診療行為を希望される場合にはセカンドオピニオンではなく、
 一般診療となりますのでご承知おきください。

平成29年11月